奏で桜
「じゃ、早速俺から
ヤらしてもらうわ」


「は?なに言ってんの?
そこはおれからっしょ?」


「いや、最初は
ボクからに決まってん
じゃないっすかー」


「おいおまえら、
ふざけたこといってんじゃねえよ!
おれはあいつに借りがあるんだぜ!
よって、最初は俺からに
きまってんだろうがよ!!」


彼らが何について口論しているかは
何となくわかっていた。

だからこそ、誰が最初に
なるかについて語る彼らの行為は
下らなく、浅ましく、
そして、虚しいようにみえる。





「…誰でもいいし、
どうでもいいわよ。

というか、ちょっと肌寒くなってきたから早く
決めてくれない?


あ…、もう面倒くさいから
三人いっぺんに来たらどう??」
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