奏で桜
…私は只でさえ、この屋敷内の中でも
居場所を失いかけている。

それなのに、もし…もし…外の世界に
行ったら、さらに居場所が無くなって
しまうかもしれないのよ…。

それとも、外の世界に私の
居場所が用意されていると
言える保障でもある?
…無いでしょう?


貴方は、私のことをそこまで
わかっていながら、
どうして…、どうして…
そんなこと言うの…?


諦めることすら許されないなら…
私は一体…、
どうすればいいのよっ…。」


彼女の溜め込んでいた心は、
これでもかと吐き出したかと思えば、
次第に萎んでいった。




それでも彼女は泣かなかった…。
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