愛を探して・・

✡✡見守る


幸が、
「頑張って、食べようね。
適度に運動もしないと
ずっと寝たきりだったからね。」
と、言った。

そう、ずっと寝ていたから
筋肉が、落ちていて
リハビリをすることになった。

脳には、異常はなく。
ただ、何らかの原因で
記憶の一部が、欠落しているみたいだ。
必要な事だったら、
思い出すかもしれないから
気にする必要はないと、先生から。

それに、赤ちゃんが
もう少し、大きくなったら
退院をして良いと
言われた。

幸から
「ねえ、梨乃は、英志さんの
どこが、好きなの?」
と、訊かれて

「よく、わからないけど
英志といると、優しい気持ちに
なるし、温かい気持ちになるの
あ~、この人と一生一緒に
生きて行きたい····と
そんなふうに思えたの。」
と、答えると
「ふ~ん、そっか。
良かった、英志さんがいてくれて。」
と、言うから
「うん、大事にしてくれるの。」
と、言うと
「梨乃、とっても幸せそうだよ。」
と、言ってくれた幸に
「うふふっ、ありがとう。」
と、梨乃。
梨乃は、本当に幸せだった。

「楽しそうだな、梨乃?」
と、英志と春樹さんが入ってきた。

「あっ、英志さん、お帰りなさい。
春樹さんもお疲れ様です。」
と、梨乃
「お二人とも、お疲れ様です。」
と、幸。

「ああ、梨乃も、幸さんも
ただいま帰りました。」
と、英志。
「梨乃さん、幸さん、お疲れ様です。」
と、春樹さん。
「あっ、英志さん、これ見て。」
と、赤ちゃんのエコー写真を
見せると

英志は、覗きこみ
梨乃が一生懸命説明をしていた。

その姿を、幸と春樹は見ていて
微笑ましく、嬉しかった。

どうぞこれから先も
この二人が
幸せでありますように
見守って下さい。
と、願う気持ちと

自分達が、この二人を守るんだと
改めて思っていた。
< 51 / 95 >

この作品をシェア

pagetop