愛を探して・・

✡✡②


あの動物公園に行ってから
半年が過ぎた。

間もなく、英梨也も二歳になる。

その日朝から、英梨也と遊んでいて
バタバタ出勤時間になり
出社すると、大事な資料を
玄関に置いて来てしまった。
と、気づいて‥‥

梨乃に電話する
届けてくれると、言ってくれたから
春樹にそう伝えた。

梨乃は、用意をして
受付の先輩たちに
お菓子を持ち
英梨也を連れてでた。

英梨也は、初めてパパの会社に
興奮していた。

タクシーから降りると
お洒落な外観の建物が見えた。
彼の会社だ。

受付に行くと先輩方が
「「わあ~梨乃。久しぶりだね。
元気になって良かった。」」

今日は、日高さんと森山さんだ。
「ご無沙汰しています。
ご迷惑ばかりお掛けして
その上、退職となり
すみませんでした。」
「「何言ってるの。
まあ、もう少し一緒に仕事したかったけどね。」」
「うふふっ、ありがとうございます。
ほら、英梨也 ご挨拶して。」
と、言うと、
「こんにちわ、おおがえりやです。」
「「はい、こんにちわ。
       お利口だね」」
と、言われて、英梨也は、
嬉しそうに梨乃を見上げた。

すると
「梨乃さん、いらっしゃい。
社長が、イライラして待ってますから
上がられてください。」
「あっ、ごめんなさい。」
「あっ、はるきっ!」
と、言って英梨也は、春樹さんに
抱き付いた。

「英梨也、こんにちわ。
良い子にしてたか?」
「うん、ねぇ、ママ。」

「村上さんに、なついてますね?」
と、先輩方。
「あっ、そうですね。
生まれたときから、
そばにいますから。」
と、春樹さんが言うから
先輩方が、
「えっ、まさか、お産‥‥」
と、言いかけると

「春樹、誤解を招く事を言うな。」
と、英志。
「あっ、パパ!!」
と、英梨也が、春樹の腕から
手を出すと、すかさず
英志が、英梨也を抱き取る
「ママと一緒に来てくれたのか?」
「うん、パパ忘れ物したの?」
「ああ、朝から英梨也と暴れていて
つい、うっかりな。
梨乃、悪かったな、わざわざ
来てもらって。」
「全然、大丈夫。
先輩達にもお会いできて
嬉しいの。」
「そうか、それなら良かった。
春樹を迎えに行かせたのに
中々、上がって来ないから。」
と、ジロリと、春樹をみると

「いやいや、降りてきて
そんなに経ってないから。」
と、言ったので‥‥

私達は、皆で笑い
先輩達に挨拶をして
社長室に向かった。

先輩達が、羨ましそうに
見ていたことも知らずに‥‥

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