愛を探して・・

✡✡③


梨乃の妊娠も安定期に入った時
ばあちゃんから、電話がきた。

「どうしたの?ばあちゃんから電話なんて。」
「英志、少し話があるの?」

「話し?いいけど、会社に来る?」
「いえ、梨乃ちゃんにも聞いてほしいから
家に行ってもいいかい?」
「わかった、梨乃に伝えとく。
明日でも、大丈夫か?」
「大丈夫だよ。夕方に行くから。」
と、言った。

俺は、多少は気になったが
ばあちゃんのことだから、
余程だと思っていた。

春樹にも話しておいた。

仕事が、終わり家に帰ると
英梨也が、飛び付いてきて
一日の報告を受ける。
よく、話せるようになり
俺は、英梨也が可愛くて堪らなかった。

梨乃に、ただいまのキスをして
食事をしながら、
ばあちゃんの話をした。
梨乃は、
「明日ね、おばあちゃまに久々に
会えるから、楽しみ。」
と、お気楽な事を言っていた。

次の日、ばあちゃんは一人できた。
「じいさんが、英梨也を見に来ないなんて
珍しいな。」
と、ばあちゃんに言うと、
「今、あの人はバタバタしてるから。」
と、言ったから
「なにが、おこってる?」
と、訊ねた。

英梨也は、ばあちゃんの膝の上で
ニコニコしている。

梨乃は、俺の横に座っていた。
「梨乃ちゃん、ごめんなさいね。
ゆっくりしているとこに。
お腹も大きくなって、楽しみだね。
英梨也もお兄ちゃんになるんだね。」
と、英梨也の頭を撫でながら
言うと、英梨也は、得意気な顔をした。

この子は、敏感に察する子だ。
ばあちゃんが、大事な話があるのが
わかるみたいで、静かにしている。

梨乃は、
「おばあちゃまが、入らしてくれるの
嬉しいから、気にされないでください。」
と、言った。
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