Heaven~第ニ章~
「二週間は入院だって」

「二週間も?退屈じゃん」

「仕方ないよ。自分で自分を刺したんだからね」

「……忘れられなくなっただろう」

「そうだね」






星野が入院して改めて病院を訪れた時には、そこに星野の姿は見えなかった。

蓮沼に頼み"星野幸"の情報を集めてもらった。

"星野幸"は政治家"星野おさむ"の息子だった。
息子と言っても愛人の子供。
認知もせず、援助もしていなかった。

母親は星野を疎ましく思い虐待を繰り返していた。
そして出来たのが私が見たあの古傷。

児童相談所から施設に預けられ16才まで過ごし、その後は"フォックス"と言うチームに入ったらしい。

そこでの武勇伝はいくつもあった。
自分で言っていたように、怖いことなんて本当になかったんだろう。


星野の生い立ちを知って同情するつもりはない。
ただ、私の人生に忘れないくらい関わった"星野幸"と言う男のことを知っていたかっただけだった。


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