Heaven~第ニ章~
「ねぇ、獅朗……着替えたいんだけど」

「嫌か?」

「似合ってないって最初に言ったでしょ」

「あぁ、そうだったな……ちょっと待ってろ」


獅朗は何処かに連絡を入れると「マサが今来る」と行って私を連れてロビーへ向かう。


「マサ?タトゥーのお店の?」

「あぁ、マサにさっきの店に寄って着替え持って来てもらう」

「そっか、」


獅朗と二人でロビーのソファーに座った。


「ねぇ、どうして私を連れて来たの?」

「椿には全部知って欲しかったからな」

「全部……」

「そうだ。全部だ。俺が居る世界の全部だ」


こんな格好をしているせいだ。
そうだよ。
じゃなくちゃ……――


獅朗の笑みが妖艶に映る。


そうでなくちゃ困る。


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