流れ星に4回目の願いを呟く時。
 今年からひかり保育園では、主に年長さんを対象にした英語保育がスタートすることになっていた。


 元々この保育園に新卒で採用されたのも、それを見越したもので、遂に今年度から本格始動という訳である。


 確かに大学時代には曲がりなりにも英語を勉強していたのだが、英語保育に関しての知識は少ない。


 そのため、今年度からは大幅に研修や出張の回数が増えることになる。だから、今年はあまり園児たちと一緒にいられないだろうし、週末に由美子と愚痴を言い合う時間もほとんど無くなる。


 社会人らしくなって来たと言えば聞こえは良いが、そう簡単には喜べない自分がいる。


「最悪、休職転勤をしてもらう可能性もあります。」


 卒園式の翌日、高山保育大学での英語保育の打ち合わせ中に、思いもよらぬ一言が言い渡された。


 英語保育を行っている他所の保育園では、専門家と協力し綿密に構成されたプログラム体制が組まれているのが当たり前であり、私も遅かれ早かれ休職して修士号を取らなければならないと言うのだ。






< 114 / 210 >

この作品をシェア

pagetop