流れ星に4回目の願いを呟く時。
 友人の結婚式の招待状を貰うのは別に今回が初めてというわけではない。もう今年で26になろうとしているのだ。同級生の中にも既婚者は結構いる。


 しかし今まで、その二者択一の返事をここまで迷ったことは無かった。大抵の場合は貰ってすぐに返事を出していたし、遅れたとしてもそれは予定が確定しない時だけだけだった。


 今回のこの大幅な遅れは、確かに予定が確定していないという理由もあったが、もっと違う、複雑な事情。


 正直に言ってしまえば、凄く御めでたいことなのに、それを心から祝ってあげられない自分がいるということ。


 自分の初恋の人が結婚するなんて、案外ありそうなことだ。知らないうちにもう結婚していて、同窓会や旧友との偶然の再開みたいなもので昔話に花が咲いて、そのついで程度に知る、なんてこともよく聞く話。


 私は内心、そんな在り来たりな知り方のほうが良かった、なんて思ってしまいそうになっている。


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