私の小さな願い事

記憶

昔から、人の顔と名前を覚えたり

本もたくさん読んでいたらしく

依里は、記憶に
自信があるって言っていた



依里の中にあった、俺の記憶は

どこに行っちまったんだ




「依里様、優のお二人をお迎えに参りました!!」


突然の来客だった




「あら?留守居の方がなぜ?」

どうやら、幕府の老中らしい


「家茂様より、依里様を江戸に連れ戻すように言われまして……」



ガバッ



依里が急に、男に飛びかかり

首を絞めた


「お止め下さい!!姫様!!」

「依里!!止めろ!!」


無理矢理引き剥がしたが、依里の表情は

見たことない

獣のような表情で、殺気を放っていた



「チッ クソガキが!!」


ドカッ!!!


「ゴホッ」


俺と優が、両脇を抱えて抑えていた為

鳩尾に蹴りを諸に喰らった


「依里!!大丈夫か!?」

「姫様に何をする!!」


「ふっ 大人しくついてくれば良いものを」

男が不気味に笑う


よくも…


俺の依里に!!!


「裏切り者…殺してやる……」


依里がそんな言葉を使うことに

驚きつつ


「依里、殺さずに捕らえる
お前を傷つける奴は、俺が許さねぇ!!」

優も同感したようで、頷く



しかし… 依里の体から、手を離すと

今まで、立てなかった依里が

素早く男に近づいて、ドカッっと

鳩尾を蹴り飛ばした



男装させててよかった……




依里が蹴られた音で、すでに俺の部屋に向かっていた

総司と斎藤に男が捕らえられた



それを見届けてから



「おっと!!危ねぇ……」



気を失った依里を支えた



「優… どうなってんだ?」

「わかりません…… 依里様があんなに
憎しみをあらわにするのを見たことない…
東宮様に御報告してきます!!」

「そうだな……
優、お前も狙われているかもしれねぇ
山崎!!」


シュタッ

「優を護衛してくれ!」

「御意」



「依里様をよろしくお願いします!」

「ああ!任せろ!」




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