恋の相手は強引上司

一馬編・・・・突然の辞令


「ロサン・・・ゼルス・・ですか?」

完全に固まった。

なんでいきなり辞令で海外なんだよ!

しかも通常は人事部つきで1年は各部署をまわることになっているのに

半年もたってないし研修も終わってないのに

・・・・おかしいだろ

向かいの席に座っている西村係長は苦笑いとも作り笑いとも取れる表情を

俺に向けており、冗談ですよねって言い返せそうな雰囲気さえ感じられたが

目の前に差し出された辞令は本物で

そこには本日付で


大越デパートロサンゼルス支店 営業部顧客担当を命ずる


と書かれていた。


「なんで・・・俺なんすか」

上司に使う言葉づかいではないことはわかっている。

だけどこれが俺にとっての抵抗でもあった。

西村主任は申し訳なさそうに息をは~~っと吐いた。

「実はね・・・ロス支店の顧客担当の青山主任が退社することになったんだよ」

「はい?」

おいおい・・・

退社って言うんだったら前もってわかっていることだし

こんな急遽異動なんてことには絶対にならないはずだ。

それに・・・なんで?主任の後任が新入社員の俺なんだよっ!

いやがらせ?それとも左遷ってやつ?

もう悪いことしか考えられなかった
< 102 / 213 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop