恋の相手は強引上司
「これってもう決まってしまったことなんですよね」

「そうだけど・・・・」

たぶん、主任は俺が喜ぶと思っていたんだろう・・・

「行きたくないと言っても・・・無理なんですよね」

「・・・こればっかりは僕の一存では決められないんだよ。だけど決して悪い話じゃないよ。
行きたくてもいけない人はたくさんいる。君が適任だと思っての人事だから」

ここでどんなにあがいても無理だとわかった俺は

もう何も言わず受け入れるしかなかった。


辞令の紙を手に持ち席を立った。そして西村主任に一礼してこの場を去ろうとすると。

「あのさ・・・・夜、飲みにでもいかない?」

「え?」

「君に打診なしでロサンゼルス行きを決めてしまった事申し訳ないと思ってる。
ここまで露骨に行きたくないって顔するのはそれなりの理由があるんだろう?
でもここじゃ~話にくいかなって思って・・・」

俺はその場で誘いを受け入れた。
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