恋の相手は強引上司
「とりあえずまだ時間もあるし、どうやって着こなすのかゆっくり考えようよ」

「う・・うん・・・・うん?」

「何?その返事」

「いや・・・・その・・・・」

しどろもどろになる私を見て一馬は大きなため息を吐いた。

「あのね、このドレスはテレサが俺と恋実が結婚する時に着てくれって
持って来たんだから、これを着る時は俺との結婚式だから」

「私と?」

「他に誰がいるんだよ!」

一馬は呆れた顔で私を見るが私は至って真剣。

「だって・・・・自信がないんだもん。一馬はかっこよくて仕事もできて
会社の女の子はみんな一馬を狙ってて・・・・その彼女が私だってわかったら・・・」

思っていた事を勢い任せで言ってみたものの

一馬の顔はさっきよりかなり険しくなっている。

「お前な~~俺の気持ちなめんなよ!」

「!」

「普通、一度しか話したことがない相手を何年も思い続けるやつなんか
ドラマや映画の主人公ぐらいだけどな、それを俺は地でやってんだよ。
そんな俺からしたら人がどう思おうがそんなのはどうでもいいんだよ。
俺は恋実がいいの。恋実以外考えられねーの。それでも不安か?」

一馬の言葉には説得力があるけど同じことを私が言っても

説得力ないんだよ・・・・これが私と一馬の大きな違い・・・・
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