恋の相手は強引上司
「フッ・・・口が開いてるぞ」

「うぇ?」

耳元に息をわざと吹きかけるように囁かれ思わず変な声をだし横を見ると

一馬・・・いや土屋課長が横に立ってた。

いつからいたんだ?

足音も立てずに来るから気配すら感じなかった。

私は横に一歩、課長との隙間を開けた。

すると課長も私の方へ一歩

「あ・・あの・・・課長」

「何?」

なにしれっとした顔してんのよ~~

「近すぎませんか?」

私は周りに誰もいない事を確認しつつも小声で言った。

「別に?このぐらいいいだろ?っていうかさ・・・・お前冷たすぎ」

何を言うかと思えば

「冷たすぎって・・・・なんで?」

前を向いたまま小声で聞き返すと

課長はスーツのポケットに手をいれあからさまに

は~~~~あとため息をついた。

「あれから電話もメールもありませんが・・・俺教えたよね」

「・・・・はい」

「俺、待ってたんだけど」

「・・・と言われましても特に話す事がないというか・・・それに忙しいって小耳に挟んだんで」

「・・・・誰から?」

「更衣室で女の子達が話しているのが耳に入ったっていうか・・・・」

課長は向きを変えエレベーター横の壁にもたれると私を見た・・いや睨んだ?
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