恋の相手は強引上司

強制参加の親睦会

「いいじゃないですか~~ね?いきましょう~よ~~」

閉店後、売場のレイアウトを少し変えるため残業をしていた。

1時間の予定だったがなぜかみんなものすごい勢いで作業をしてくれるもんだから

40分程度で終わることが出来た。

たくさん積まれたダンボールを専用のカゴ車に捨てて戻ってくると

みんなが集まってなんだかキャッキャ言いながら話していた。

その中心には一馬・・・・いや土屋課長が

そして課長を取り囲む様にうちの若い子達が目をキラキラさせていた。


なんだか楽しそうじゃん・・あの人たち

別に・・・どうでもいいけど

私は無関心を装いながらケースに布をかけ始めた。



「ああ~!真壁さん!」

後ろから甲高い声の名取に呼ばれた。

「なに?仕事終わった?終わったならこれ主任の印鑑もらって欲しいんだけど・・・」

本当は布かけが済んでないけど課長たちと喋ってるから嫌味っぽく言ってやった。

「だったら~~課長の印鑑でもいいですか~?」

おいおい

名取よ、完全に女モード入ってない?演技はいってるぞ。

私の前でもこの喋りということは・・・・課長だね。


やっぱり出納の新田主任から土屋課長に変えたんだ・・・・

「別に・・・主任以上なら誰でもいいから」

淡々と答える私に

「わかりました~~。っていうか違う違う~~真壁さんもちょっと来てくださいよ~~」

名取が私の手を掴んだ。
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