美しき夜、北斗七星が輝く







「どうして?」



キョトンとした顔を浮かべる黒木さん

僕は説明を始めた




「1人で見たって…
綺麗だって共感してくれる人いなくて
寂しいだけでしょ」


「…………」


「僕はずっと…
同じ白い世界で生きてきたんだ」


「白い世界?」


「そう…
真っ白なシーツに
真っ白な天井と壁の
この病室

ここが僕にとっての
世界の全てだったんだ」


「…………」


「ずっとそれは…
死ぬまで変わらないって思ってた

真っ白な世界で
1人生きるものだと思ってた

でも…
変わったんだよ黒木さん…貴女のおかげで」


「あたしの……?」


「そう
黒木さんが真っ白なだけだった僕の世界に
色をつけてくれたんだよ

例えるならそれは
虹のようにカラフルな色をね」



我ながらクサい台詞だと思った

だけどそれは全て…本当のことなんだ





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