イジワル社長と偽恋契約

社長の思い

ゴーーーーー…


12月28日。

私は旭さんと新幹線に乗っていた。

会社は正月休みに入り実家に帰省することにした私。

なぜ旭さんと一緒なのかというと…






「私と旭さんのご実家が近いとは思いませんでしたね…」


宏伸社長のご実家の存在は知ってたけど…

旭さんとはそういう話したことなかったな。





「元々お袋も東京住まいだったんだけど、親父が亡くなってから体調崩して実家に戻ったんだよ」

「お母様お体悪いんですか?」

「今は平気。田舎で祖母の面倒みながら好きなことやってるよ」

「そうですか…」


宏伸が亡くなって精神的にも辛かっただろうな。

まだお会いしたことないけどご苦労が目に浮かぶようだ…






「お前が実家に帰る前に俺の家に寄って貰っちゃって悪いな。お袋がお前にどうしても会いたいって言うからさ」

「いいですけど…でもご両親に会うのって少し早すぎやしませんか?」


私達付き合ってまだ二週間も経ってないのに…





「付き合う前からお袋はずっとお前に会いたがってたんだよ。親父の秘書もしてたからだと思うけど」

「なるほど…」


宏伸社長の秘書をしていた頃から私のこと知ってくださってたんだ…


有難いことだね。

会ってちゃんとご挨拶しなきゃ…
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