イジワル社長と偽恋契約
この恋、本気ですか?

俺の秘書~旭side~

旭side



いつも恋愛は二の次だ。

というか、正直興味がなかった…






「副社長!良かったら今夜飲みに行きませんか?」


社食を食べている俺に、名前も思い出せない社員の女が声をかけて来た。

俺はすぐによそ行きの笑顔を向ける。





「婚約者がいるのでそういうのはちょっと…」

「えー!そうなんですかぁ~ショックですぅ」


鼻にかかる話し方と高い声が気に食わないと思いつつも、俺は必死に我慢した。


そして食事が終わると、社食を半分残して食後のコーヒーを飲む。


人気のない会社の隅の一角。

そこが結構好きだったりする…


親父のコネで就職出来た大手ハウスメーカー会社。

入社した時から実績を残してそのまま出世コースに乗り30歳で副社長に。


仕事には生きがいを感じでいたし好きだ。

でもいつも何か物足りなかった…




ブーーブーー…

スーツのポケットに入れていたスマホが震え、画面を見ると婚約者の恵さんからのメールが。


内容は今度はいつ会えるのかというもの。

俺はスマホをそのままポケットに戻す。


好きでもない人と将来性を考えて婚約し、連絡を後回しにしてもう何ヶ月も会っていない。

だけど女から誘われた時には婚約者をいいように使う。

最低だってわかってるけど、どうでも良いことだった。
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