鈍感ちゃんと意地悪くんのその後の物語
冬休みの旅行(瀬田優斗)
「おめでとうございま~す!」

カランカランとベルが鳴って、周囲の人が注目する。
一等賞を当てた当の本人は、俺の隣できょとんとしていた。

もう少しで冬休み。
そんな肌寒くなってきた週末の午後。
俺と美空は、お互いのバイトの時間まで遊ぼうと、一緒に商店街を歩いていた。
あ、そうだ、と、以前もらった抽選券で、一回だけ抽選に参加したわけだが。

「温泉旅行。2泊3日2名様! 大当たり!」

え、何そのくじ運。
驚いて、俺たちは顔を見合わせた。
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