お気に入り同期と恋人ごっこ



しかし誠の就職が決まり
年が明けると配属も決まった。


新人だからなのか研修のためなのか
遠く遠く福岡の営業所へ。


「オレ 福岡へ行くことになった」


「いつまで?何か月?」


「期間と言われてないからわからないよ
帰って来れるかもわからない」


「うそ!どーするのあたしたち」


「色々考えたんだけど
着いてこないか?」


「えっ・・・」


誠はあたしが『うん!着いていく!』
と言うと思ってたらしく
あたしの『えっ?』と言ったのに
ガクッときたらしい。


あたしはデザイナーになりたいという夢がある
そのために親に無理を言って
独り暮らしまでさせてもらってるのに
専門学校をやめて
彼氏に着いて遠く福岡へ行くなんて
言えるはずがない。


「着いてきてくれるか
別れるかだな」


「なにそれ!2択しかないの?
遠距離恋愛するとか」


「遠距離は無理!
それじゃなくても側にいても
お互いの行動で喧嘩するときもあるのに
離れてたらうまく行くはずがない」


「1年たったら会いに行く
それでまた始めたい」


「調子のいいこと言うなよな
1年離れていても気持ちが
通じ合ってると言う自信ある?
オレは100%無理だと思うよ」


「そんなこと言うなら答えは決まるじゃん」


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