双姫 Ⅰ

女嫌いな原因



類side


"類、その言葉忘れないで。
あの子は繋がりを持っていないと
壊れてしまうから。"


『優龍』が言った言葉が引っ掛かる。


…でも、やっぱり女は嫌いだ。

話してるだけでも
身体が床に崩れそうだった。


皆に気付かれないよう深呼吸する。


『類。』


「あ、蒼翔。大丈夫?」


『ん?俺より紘にぃのが
相当ダメージ受けてっけどな?』


蒼翔が指差す方を
見ると放心状態の『天龍』の姿。


『肉体的にじゃなく
精神的にボコボコにしてやった!!』


「…うん、聞いてて凄かったもん。」


『そうか?それより、類。大丈夫か?』


「え…?何が?」


『実基姉と話してる時、
若干手が震えてたからさ。
辛かったんじゃねぇーの??』


あんなに『天龍』を
追い掛け回してたのに気付いて…?


< 147 / 463 >

この作品をシェア

pagetop