双姫 Ⅰ


「……これでも次期組長だからね。
親父達に鍛えられたから
まぁ、それなりに…ごめん黙ってて。」


「…類。『双覇』の総長になれ。」


玲の突然の言葉に静寂に包まれる。


「は…?何言ってんだよ玲。」


「俺より強いのに
俺が総長でいる理由がねぇ。」


「ちょ、ちょっと玲!!」


「何言ってるんですか!?」


「ふざけんなよ!!」


「俺は至って真面目だ。」


「…玲。そう言うと思ってた。
でも、総長ってただ強ければなれるもん?

俺はそう思わないけど。

玲だから皆付いて来るんだよ。
俺もその一人なんだけどな?」


「僕もだよ!?」


「勿論、私もです。」


「俺もだぞ!?」


「玲、これでも俺に総長を押し付ける?」


「…類。悪ぃ……俺、カッコわりぃな。
さっきの忘れてくれ。」


「もう忘れたよ、玲がカッコ悪いのなんて。」


「忘れてねぇじゃねーか!!」


その後、
幹部室でギャーギャーと騒いでいた。


その時、


ガチャ…


一つの扉が開いた。


双覇sideEND


< 257 / 463 >

この作品をシェア

pagetop