双姫 Ⅰ

約束



『…これが私の過去。
いや~長かった長かった!!』


自分でもこんなに長くなるとは思わなくて
座ってたソファーに深く沈んだ。


てか、こんなに話したの
今回が初めてじゃない?(笑)


『ちょっと皆さん?
何だんまりしてるんですかね。』


皆の顔を見ると暗い表情をしている。


『あー!暗いの無理。
私は東条を見つけたから機嫌良いんだよー?』


目の前にあったお菓子を頬張り、笑う。


グイッ!


『わぁ!』


次のお菓子を取ろうと伸ばした手を捕まれ、
いきなり抱き締められた。


『な、何?類。いきなり抱き締めるなんて…。
てか、アンタ女嫌いでしょ?』


「朱音は平気。」


『あ、そうなの…。』


ポンポンと規則正しく頭を軽く叩かれる。

まるで子供をあやしているかのように。


< 295 / 463 >

この作品をシェア

pagetop