双姫 Ⅰ

お前だけは



自分のバイクに跨り、倉庫を目指す。


久し振りに運転して楽しい筈なのに
私は何も感じなかった。


『……。』


只、前を見てバイクを走らせる。

遠目に『双覇』の倉庫が見えた。


「朱音!」


倉庫の手前に大人数が集まっている。


『私で最後だったんだ。
じゃあ、後ろに付いて来て。』


バイクから降りず、Uターンして側に寄せる。


「分かった、頼む。」


私を先頭に指定場所に向かった。


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