双姫 Ⅰ

涙雨



間に合って良かった。

あの夢の通りにならなくて。


「テメェ!よくも俺の妹を!!」


「ヒィィ!!」


錦が紘にぃに
取り押さえられているのを横目で見る。


「朱音!しっかりしろッ!!」


「どうして庇ったりなんかしたのよぉ!」


"なんで、なんで庇ったのよ!!"


あの時の私と同じ事言ってる。

そんなの決まってるじゃん。


『た……ぃ…せつ…だ……から………。』


大切な友達だからだよ。

あぁ…蒼空もこんな気持ちだったのかな?


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