双姫 Ⅰ


類side


「朱音?目開けてよ……なぁ!!」


頬を叩くけど朱音の瞼は固く閉じられたまま。


" ねぇ、類。"


" …約束する。死なないって。"


指切り
拳万
嘘ついたら 針千本飲ます
指切った


" これって普通にしてるけど
意味知ったら怖いよね。"


" でも、約束したから守るよ…。"


「あの時…『守る』って言ったじゃん!!!」


ポタポタと朱音の頬に雫が落ちる。

それと呼応するように
雨もパラパラと降り始めた。


近くでサイレンが聞こえる。


俺の声は雨によって掻き消されていく。

まるで、空が泣いている様だった。


類sideEND


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