双姫 Ⅰ


俺の言った事に驚きを隠せないのか
四人はポカーンと口を開けて固まっている。

俺でさえ驚いたんだ。

アイツは俺が殴る時、僅かに軌道をズラした。
悔しくてもう一発殴ったら
躱しきれずに腕に当たったがな。


骨折れてねぇと良いけど。
他の奴らは青痣くらいにはなってるな。


「嘘だろ…あんな大人しそうな奴が?」


「意外ね……。」


「僕も組手してみたいなぁ~?」


「芦基とはしたくないですね。
私はしたいとも思いません。絶対に。」


「なんでさ!今度しようよ~♪」


「貴方は徐々に
痛ぶるから生理的に無理なんです。」


「せ、生理的に?そこまで言っちゃう!?(泣)」


「無理なモノは無理なんです。」


「芦基、ドンマイ……(笑)」


「うるせぇよ…慧、気安く触んな!」


「んなっ、テメェぶっ飛ばす!!!!」


「ヤれるもんならヤってみろ!!」


ギャーギャーと芦基と慧の喧嘩が始まった。

それを傍観し、馬鹿だなと笑う。


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