ずっと見守る
 文化祭当日。

 今は最終チェックの時間。

 優ちゃんと空き教室でメイド服に着替え。

 ・・・・・・なんだけど。

「やっ、やっぱりこんなの無理だよっ」

 ヒラヒラした短いスカートに、ネコ耳。おまけにしっぽまでついている。

「大丈夫だって!!みぃちゃん、すっごい似合ってるじゃん!ほらっ、行こ」

 恐る恐る、教室の入口をくぐり抜けた。

「みぃちゃん!?」

「うっそ!?超可愛いんだけど!!」

 あっという間に、クラスのみんなが集まってきた。

 みんな目を輝かせて、あたしを見つめる。

 そ、そんなに見られても・・・・・・!

「はい!みぃちゃんは接客!」

 優ちゃんに背中を押されて、入り口付近に立たされた。

 廊下から丸見えだし恥ずかしいよ!!

 と、とりあえず頑張りますか!!



「ねぇねぇ、キミこのあと誰かと回るの?俺らと回らない?」

「えっ!?えーっと・・・・・・」

 これって、優ちゃんが接客前に『忠告』してた・・・・・・?

『忠告!ナンパにはついて行っちゃダメだからね!』

 されるとは思っていなかったけど、どうすればいいの!?

「ねぇ聞いてるー?お化け屋敷行こうよっ」

「名前なんて言うの?」

 この二人組・・・・・・なんでよっ!!

「寺崎・・・・・・」

「悪いですけど、コイツ俺と回るんで」

 とりあえず名前を言おうとしたとき、頭をポンッと誰かに叩かれた。

「なーんだ。彼氏いたなら言ってよねー」

 男の人達はお金を払って出て行った。

 その背中をボーッと見つめていたら、目の前にドアップで顔が映し出された。

「うわわっ!!」

 驚いて、思わず声をあげてしまった。

「コラ。ナンパされてないで、午後から俺と回ろ?」

「れ、廉太くんとっ!?」

「なに、嫌なの?」

 いやいや、うれしすぎてぶっ飛んじゃいます!

 なんて、口が裂けても言えない。

「い、いいよ!」

「じゃ、決まり。午前中、頑張ろうな」

「うん!」

 廉太くんは、あたしの頭を撫でると、裏のほうに戻っていった。

 蓮太くんと回るなんて・・・・・・。ホントにいいのかなあ。

 階段の上り下りはゆっくりじゃないとダメだし、あまり早くは歩けない。

 それでも迷惑じゃないって思ってくれるかな。

 と、とにかく今は仕事に集中!!
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