貴公子?いいえ、俺様男です
1.

片想いの結末





『…宮澤さんを信じようと思う』

………。




少し痩せた彼女"佐久間 都"(さくま みやこ)が、長いまつ毛を伏せ言い切った。

入社以来、ずっと好きだった。

仕事に一生懸命な彼女は、そんな俺の気持ちに気付かない。

仕事の勘は鋭いのに、自分のこと…とくに恋愛が絡むと、途端に鈍くなる。

そんな鈍い彼女を見つめるもう一人の存在が、同じ会社の先輩、宮澤 葵(みやざわ あおい)だ。

現在は、刷新委員長として超多忙な日々を送っている。

ものすごく努力してるのに、それを表に出さずスマートに仕事をする…俺の目標とする男だ。

鈍い彼女をどう口説いたのか…二人は互いに惹かれあっていた。

俺が入る隙間なんて、1ミリもない。

宮澤さんからの連絡が途絶えても、気丈に振る舞う彼女がいじらしく、益々好きになったんだ。

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