強引な次期社長に独り占めされてます!
あれ。でも、主任は普通にタメ口だったね?

「専務って、おいくつでしたか?」

「えーと。兄貴の1個下だから、37歳だったかな?」

主任のお兄様は38歳なんだ。主任は確か31歳だよね?

「同期でもないのに、仲が良さそうでしたね?」

「まぁな?」

口元だけ笑いながら、すいっと視線をそらされる。

……あれ。これは“まぁな”一言で濁された?

「何ですか。気になりますよ」

「何だ? 松浦はああいう男が好みなのか?」

確かに専務はイケメンですよね。私でも分かるくらいに眉目秀麗だった。

「そんな事はないですけど。私は専務みたいにキラキラしい人は恐れ多くて近づくつもりもありません。それより、話をはぐらかさないで下さい」

「あー……いや。まだやめとく。それより松浦さ?」

主任が振り向いて、顔を近づけてきたから硬直する。

え……と。これって鼻先10センチって言わない?

これは近い、近すぎるんだけど……口まで硬直してしまって無言になった。

「これってクリスマスデートになると思うんだけど、緊張する?」

にんまり言われて、身体中がカァっと熱くなる。

違う意味でするに決まってます!

頭がくらくらしてきたところで、主任は引いてくれた。

「明日も仕事だし、仕事が終わればクリスマスパーティーだし、今日は帰るか」

ジャケットからお財布を取り出し、飄々と立ち上がる主任を見て絶句する。

い、今のって、からかわれた?
絶対にからかったよね?

ひ、ひど……っ!
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