君を想う【実話】
全て話終わると、拓磨は瑠奈の頭を撫でた



「その子の分も幸せにしてやる」



そう言った拓磨の声は、今までで一番優しい声だった



「..ありがと」


一筋の涙が頬を伝う



初めて、ちゃんと瑠奈に向けられた言葉のような気がした



拓磨は真っ直ぐ壁を見るように、少し切な気な顔を浮かべて口を開く



「..俺も言わなきゃいけないことがある」


さっきとは違う、拓磨の真剣な声



「お前は、俺の大切な人に似てる」



"大切な人"



瑠奈の頭に、自然と写真の女の人が浮かぶ



拓磨は少し微笑んで、瑠奈を見た



そしてあの財布から写真を取り出し、瑠奈に渡す



「..ごめん。これ今日、見ちゃった」


瑠奈が小さく謝ると拓磨は驚いた顔をして、すぐに納得したように頷いた


「だから、今日のお前は変だったんだな。びっくりしたろ?」


瑠奈は一度、大きく頷く



そして、写真を見ながら呟いた



「女の人と瑠奈が似てたこともだけど..それ以上に、あんたと瑠奈が似てたことにね」



拓磨はその言葉に、軽く眉間にしわを寄せて不思議そうに瑠奈を見つめる
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