君を想う【実話】
「ほら、いってこい。待ってるから」
車が中央病院に止まる
拓磨に背中を押され、瑠奈は病院内に走った
智也の元へ―..
「瑠奈っ!!」
浜田先輩や智也の仲間が、もうみんな揃っていた
それはまるで、海斗の時のよう..
「智也はっ!?」
病院だということも忘れて、浜田先輩にしがみつき声をあげる
「命は、大丈夫だ」
瑠奈の肩を掴んだ浜田先輩の強い口調に、安心した
でも―..
「意識がまだ戻らねぇ..戻るかもわからねぇんだよ..」
その言葉に、瑠奈の頭を強い衝撃が走った
震える浜田先輩の声が、遠くに感じる
呆然とするまま手を引かれ、ガラス張りの治療室の前に連れていかれた
関係者以外立ち入り禁止の文字が扉を埋める
「..とも..や」
中を覗くと、そこには智也がいた
整った顔の半分近くがガーゼに隠れている
腕や足には包帯が巻いてある
そして、心拍数を刻む機械音が微かに聞こえた
智也が生きていることを示す、確かな証
ガラス一枚の距離が、とても遠く感じた―..