君を想う【実話】
次の日も、朝から病院へと向かう


智也の病室は三階


階段をのぼり終えると、病室の前から話し声が聞こえた



そっと除くと、智也の主治医とおばさんの姿..



おばさんの肩は、微かに震えている気がした



悪い気はしたが、二人の話に聞き耳をたてる




「だから、目を覚ますことは奇跡に近いかもしれません..」





ドクンッ―




瑠奈の心臓が大きな音を立てた



頭が真っ白になる




今..なんて..




智也は、奇跡が起きない限り―..





「瑠奈ちゃんっ!?」



瑠奈の姿に気付いたおばさんが、驚いて声をあげる



瑠奈は、その場から走って逃げた..



無我夢中で走った





わかってたのに..




わかってるつもりだった..




でも―..





気が付けば、瑠奈は智也との思い出の地に立っていた



初めて二人で会った場所



二人の待ち合わせ場所



何度もお互いの想いをぶつけあった場所



ここにくると、智也を思い出す..



すぐ目の前にある高校からは、楽しそうな声が聞こえてくる



声を押し殺して泣いた




日が暮れるまで―..




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