君を想う【実話】
§第31章..記憶§
二人の記念日、クリスマスから六日たった





スリー、ツー、ワン..





「あけましておめでとーっ!」



「今年もよろしくっ!」




そう、今日は年越し




騒がしい声と共に、新年を迎えた




智也と二人で過ごすはずだったのに、雅哉達に邪魔をされて現在に至る





カウントダウンちょうどにキスはしたけどね..





そして、初日の出を見るために車を四、五台だして目的地に向かう




「俺、初日の出みんの初めて!去年とかは行くとか言って、結局みんな潰れてたかんな」



車内で、智也は煙草を片手に嬉しそうに窓の外を眺めていた




瑠奈も山道を眺めながら、去年のことを思い出す






海斗がいなくなった家族のみんなと見た、初日の出






涙で滲んだ空は




あまりにも綺麗で




神秘的で




すぐそこに空があって




海斗まで手が届くような、そんな錯覚がしたんだ..






「瑠奈?」



ボーッとしていた視界に、智也の顔がうつる



「ん?」



何事もなかったように瑠奈が笑うと、智也も笑顔をみせる




重なる手をギュッと握った
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