君を想う【実話】
「..お兄ちゃん」
そこには、海斗のお兄ちゃんが立っていた
もう一年ぶりのその姿に、視界が涙で歪んでいく
「..るなっ!」
お兄ちゃんは少し腰をおとして、両手を広げた
「お兄ちゃんっ!」
その腕の中に、瑠奈は迷うことなく飛び込んだ
「久しぶり。きてくれてありがとな」
お兄ちゃんは、しっかりと受けとめた瑠奈の頭を優しく撫でる
「会いたかった..」
二人はまるで、本物の兄弟のように再会を喜びあった
「海斗、よかったな」
お墓の前に立って小さく微笑む、お兄ちゃん
瑠奈の落とした線香を拾って、慣れた手つきで火をつけて仰いで消した
無言で手をあわせるお兄ちゃんの横で、瑠奈も手をあわせる
「俺さ、結婚したんだ。クリスマスに」
顔をあげると、お兄ちゃんが少し照れたように左手の薬指を見せた
拓磨と瑠奈が夢みたこと
お兄ちゃんと彼女さんが
叶えてくれたんだ..
智也と瑠奈が結ばれた時
お兄ちゃん達も幸せに包まれていたんだね..