君を想う【実話】


「何話てたの?」


数分後、顔を上げた智也を覗き込む


「ひみつ。男同士の誓いだからな」


そう言って、瑠奈の頭を撫でて智也は笑った




その時



瑠奈の頬に何かが触れた



少し冷たくて、フワッとした感触




「..雪だ」




智也の声に、空を見上げる




「ほんとだ..」



キラキラと輝きながら、瑠奈達の元にゆっくりと舞い落ちる雪





まるで、海斗からのプレゼントのよう..





自然と涙が頬を伝った




智也の手が、そっと瑠奈の頬に触れる




「自分を許してやれよ。誰もお前を責めてない」




その言葉に、一気に涙が溢れた




瑠奈は智也の胸の中で、声をあげて泣いた







ずっと..




何処かで自分を責めていた






瑠奈のせいで海斗は..






そんなこと、海斗が望んでるはずないのに






その気持ちが消えなかった






それなのに―





この真っ白な、汚れのない雪は





瑠奈の全ての罪を優しく包み込む..








瑠奈、愛してる―








海斗







ありがとう..







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