ユーレイと祓い屋
蛍と同じ時間に寝て、蛍と同じ時間に起きて。

おはようを言って、おやすみを言って。

いってらっしゃいと見送って、おかえりと出迎える。


さすがに仕事にまでついていったらストーカーじみているので、基本は家のあたりをぶらついて待機だ。


「おはよう、蛍っ! 今日もいい天気だね」


「おかえり、お仕事おつかれさま。ご飯はお魚がいいと思うな」


聞こえないのは分かっているけど、それでも話しかけ続けた。


蛍のことが好きなうちは、きちんと好きでいたかった。


「おはよう、蛍っ!」


挨拶を何回繰り返しただろうか、そんな日が続いて。


そして、蛍は悪徳商法に引っかかった。
< 13 / 54 >

この作品をシェア

pagetop