砂糖菓子より甘い恋1
「確かに、笛はすぐには音が出ないことを初めに教えなかった俺も悪かった。

だから、姫には次に行くまでに笛を続ける気があるか考えておくように言い、笛を預かって帰ったさ」

言って、雅之は酒を嘗める。

笛は最初が肝心だ。
最初に名手が吹けば、良い吹き癖がつく。
雅之はこの三日間、毬の笛を吹いて馴染ませた。



黙ってさして手入れもしてない庭に目をやる雅之の表情は、何かを躊躇う顔だった。
親友の端正な顔が陰欝に陰っているのを見かねて、龍星が唇を開く。


「また、物の怪にでも憑かれたか」

雅之はなぜか、物の怪を引き寄せる。


「そうなのだ、龍星よ」

雅之はため息をつく。


「その笛を吹くたびに聞こえるのだよ。微かな呪いの詞が」
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