マスク男子

観覧車も地上にたどり着き帰路につく
郁くんは、しっかり私を家まで送ってくれた


「えっと…送ってくれてありがとう。あと、デートしてくれてありがとう。楽しかった」

「ん、俺もそれなりに楽しかった。じゃ、また明後日な」


そう言って郁くんは、自分の家の方に歩き出そうとした

が、その手を捕まえて私は郁くんを引き止めた


「ん?どーした?」

「あ、あのね…また、デートしたい」


ただそれを言いたかった

今日のデートは郁くんの気まぐれかもしれない
だから、次の約束をしたい

郁くんはなんて答えるのかな?


「そーだな。次はどこに行きたいか考えとけ」

「!!」


そう言った郁くんは私の頭を撫で、"じゃぁね"っと言ってから帰って行った

あの返答は…デートしてくれるって事だよね?


「うへへっ」


あー、ダメだ
頬の筋肉がゆるゆるだ

今日はとても幸せな1日だった



< 100 / 165 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop