嘘つきスノウ 〜上司は初恋の人でした〜
好きでいてもいいですか?


街がクリスマス色に染まる。

どこへ行ってもクリスマスソングが流れ、気にしないでおこうと思っても否応なしに気付かされる。

今年は23日から25日まで3連休になるのでみんな余計に浮かれているのかもしれない。

「千雪、23日一緒に晩御飯しようよ」

会社近くの洋食屋、目の前にはランチプレートをつつく奈々がいる。

「わたしはええけど大輔くんはかまへんの?」

「仕事よ。24、25日と休みとるために」

「大変やねえ、相変わらず忙しそうで」

「大輔のコネで取れるフレンチがあるのよ。京都やし帰りもラクでしょ。なんか予定ある?」

「ないない。実家に24日の夜に顔を出すだけ」

「ほな、決まり。予約させとく」

スマホを取り出して早速連絡を入れている奈々をボンヤリと見ながらプレートのオムライスを食べるともなしにスプーンで崩す。

『悪い、クリスマスの3連休はオレ東京で大学時代の友達の披露宴に呼ばれてるんだ』

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