嘘つきスノウ 〜上司は初恋の人でした〜


何を言われたのか理解するまでに時間がかかる。

「ぎゅうって・・・・・もっと凄いことしてるのに?」

「そっ、そうなんやけど、でもなんかくっつきたいっていうか・・・・・」

真っ赤になってしどろもどろになる千雪に向かって両手を広げた。

「好きなだけどうぞ」

嬉しそうな顔をして胸におずおずとしがみついてくるのでその背中を上下に摩ってやる。

千雪が安心したようにほうっと息をついた。

「・・・・・あとね、できればでええんやけど・・・・・」

「うん」

「わたしと話すときね、できれば関西弁で話して欲しいです」

そう言われてみればあんまりこっちの言葉を使ってなかった。

「ええよ。千雪がそっちの方がええなら」

しがみつく腕に力が込められる。



ささやかな千雪の願い。

クリスマスプレゼントはまた何か考えよう。


大学時代のサークルの仲間が結婚する。

新郎も新婦も友達だし祝ってやりたいとは思っているけれどクリスマスイブに結婚式と披露宴をしようなんて、本人たちにとっては記念になっていいのかもしれないけれで、招待される方にとっては迷惑な話だ。

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