嘘つきスノウ 〜上司は初恋の人でした〜
「すいません、遅くなってしまって」
「いいや、気にしなくていい」
かけられる声に労りが見える。清美ちゃんとの一件を知られたのだろうか?
手招きされ、ちょっとした来客にも対応できるパーテーションで仕切られた一角へと誘われた。
テーブルの上にはよく見るコーヒーショップの紙袋。
「主任・・・・・?」
「今からメシに連れて行くとお前明日の朝が辛いだろ。ただでさえ朝早いんだから」
肩を押されて椅子に座らされ、主任が紙袋からカップとサンドウィッチを取り出す。
差し出されたカップを無意識に両手で受け取った。
「小腹くらいは膨れるぞ」
封を切ったサンドウィッチがわたしの前に置かれた。
カップに口をつけて一口飲むと温かい液体が喉からお腹に落ちていく。
なんで、今これを・・・・・・・・・・。
高校生の頃のあの寒い冬の日、池上くんと飲んだソイラテ。
あの頃と同じ味。
「・・・・・・・・・・っ」