この度、友情結婚いたしました。
「そうだ、たくちゃん喜んで!やっと新しい事務員さん見つかったのー!」


彼の腕を掴み、こちらに駆け寄ってくる真希さん。
彼はそんな真希さんに、腕を引かれるがまま状態。


「紹介するわね、こちら弁護士の赤城琢磨君!……で、こちらが大沢まどかさん!」

「え……大沢?」

真希さんの声にピクリと反応し、ますます私を凝視してくる。


どうしてこんなところで再会しちゃうかな?

会わなくなって十年も経つというのに、お互い一瞬で気付いちゃうくらい、きっと会いたくなかった。

私も彼も――。


「あら……?もしかしてふたり、顔見知りだったりするのかしら?」


なにも話さず見つめ合う私達に気付き、真希さんが問いかけてきたものの、お互い声を発することなど出来ずにいた。



悪いけど琢磨、私はあんたにだけは二度と会いたくなかったよ。


しかもこんなタイミングで――。
< 94 / 379 >

この作品をシェア

pagetop