この度、友情結婚いたしました。
でも琢磨は違う。


中学時代は私とほとんど身長が変わらなかったのに、一気に抜かされちゃって驚いたし、目線が変わってしまったことにも戸惑った。


少しだけ甲高い声を、よくあさみとふたりでからかっていたのに、声変わりした彼の声は低くなってしまい、動揺を隠せなかった。


他にも広がる肩幅。浮き出る咽喉。――大人びていく彼は、私の知る琢磨ではなくなり、まるで別人になってしまったようだった。


昔からアイドル系の甘い顔をしていて、それが一気に大人びたとなればモテないわけがない。


みんなで騒いでバカみたいなことで笑い合っていたというのに、いつの間にか女の子に囲まれてばかりになって、クラスも違ったし、自然と話をする機会が減っていったんだ。



それが無性に寂しくて、学校で見かけるたびに目で追っている自分に気付いて。


初めて知った。


これが“好き”って気持ちなのだと――。

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