わたしは年下の幼馴染に振り回されています
 笑顔で二人の言葉を受け入れる。

「先輩と話があるんだけど、先に学校に行っていてくれないかな?」

「いいよ。じゃあな」

 彼は私と翔子に声をかけると、その足で学校へ行ってしまった。

 二人が一緒に行くはずで、家の遠い彼がわざわざ迎えに来たのに悪いことをしてしまった。

「いいの?」

「英明が一緒じゃないほうがいいと思ったんです。あの人は気にしないだろうけど」

 その話を切り出す前に、翔子が歩き出す。私は彼女の後姿を追うようにして歩きだした。

 昨日拓馬と立ち止まった交差点まで来ると、翔子は肩越しに振り返る。

 私は歩を進め、彼女のもとへ行く。

「先輩と拓馬君は本当に仲がいいんですね」

 拓馬を好きな彼女に言われてドキッとしたが、目の前の彼女は思い悩んでいるというよりはからっとして見えた。

 信号が変わり、私達は歩き出した。
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