わたしは年下の幼馴染に振り回されています
知らない人といた拓馬
 夏休みになった。だが、完全にオフとはいかない。頬杖をつき、深くため息を吐く。

 そして、正面に座っている拓馬に視線を送る。

 あれから何か現状が変わったという事はなかった。

すぐに夏休みに入る事もあり、細かいことは夏休みに決めようという事になったらしい。

だが、少しだけ変わったこともある。


 千江美がたまにこの家に遊びに来るようになったのだ。

母親も大方事情を知る事になり、彼女が一人では大変だからとお節介をやいたのが発端だ。彼女はわたしに挨拶くらいはしてくれるようになっていた。

 ふっとほっぺたがつかまれ、我に返ると拓馬がわたしの顔を覗き込んでいた。

「終わった?」

 整った顔で屈託なく笑われ、思わずのけぞる。

「突然何をするのよ」

「ボーっとしていたから、なんとなく」

 わたしは拓馬の手をつかみ、わたしの頬から引き離す。

「やめてください」

「気が散るならリビングにいようか?」
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