わたしは年下の幼馴染に振り回されています
 受験の追い込みの時期ではあるが、もうイベントが控えていたのだ。

 それは拓馬とわたしの誕生日だ。

 わたしと拓馬は誕生日が三日しか離れていなくて、よく一緒に祝ってもらっていた。

 知らない振りをしていいのか、祝ったほうがいいのかわたしは判断に困っていた。

 けれど、わたしの母親はお祝いをするらしいので、前者の選択肢はありえないのだけれど。奈月も同じだ。

 携帯にメールが届く。

 その文面を見て、立ち上がる。

「じゃあ、そろそろ帰るね」

「じゃあね、奈月ちゃんによろしく」

 わたしは会釈をすると、教室を出て、待ち合わせをしている昇降口にたどり着く。

 そこには凛とした表情を浮かべる妹の姿があった。


 靴を履くと、妹のところに行くことにした。

「行こうか」

 奈月はわたしの言葉に頷いた。

 今日は奈月と拓馬のプレゼントを買いに行くことになっていたのだ。
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