Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
その話をリリュアが聞き、ハッとした表情でカズマを見た。
カズマもまた、私の話に顔色が変わる。

「カズマ!その話って・・・!」

「・・・ああ。やはりお告げは間違いではなかったようだな」

「お・・・告げ?」

何を言っているか分からなかった。
だけど二人は何かを理解したのか、リリュアさんはテントを慌ただしく出ていく。

「すまない、少しここで待っていてくれないか?私達は移動民族でね、今私達以外の者は食料を採りに出払っていて、夕刻までには戻ってくるはずだ。実はここの族長が神からのお告げを受けていて、「絶望的な未来の世界から迷いし救い人がやってくると。その者は私達に助けを求め、私達は助ける為の力を与えよ」と言われたと。・・・多分、いや絶対にこれは君の事だ。君はこの世界の未来から来た人間なんだな?」

この世界の未来・・・?
という事は、ここはこの世界の過去、と言う事?

「話の内容がよく、分からないけど・・・。きっとそうなのかもしれません。確かに私はあの世界を救うために呼ばれた、と言われました。このフルートで、混沌とした世界を救える、と」

私は持っていたフルートをカズマに見せる。
カズマはフルートを見るなり、目を輝かせた。

「ああ・・・!懐かしい!!私は日本にいた時にフルートを吹いていたんだ。すまない、吹いても構わないか?」

そう言われ、私は頷くとカズマにフルートを渡した。
カズマは手際よく頭部管の調整をし、すうっと息を深く吸い、そして吹き始めた。

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