Repair of the world～フルート吹きの魔法使い２～
私が座る場所から、どんどんと草花が育ち広がっていく。
草は物凄いスピードで地面を這うように広がり、花はある程度の高さまで伸びると、付けていた蕾を開いた。


それは遠く、地平線の彼方まで広がっていく。


「な、なんだこれは・・・！」

ヴォルデルトがその光景に怯み、持っていたフルートを手から離してしまう。
だがそのフルートは地面に叩きつけられることなく、空高く舞い上がった。


私はただひたすらに歌っている。
この歌に込められた願いを乗せて。

草花はもうごつごつとした岩肌が全く見えないくらいに咲き誇り、広がっていた。

やがて私の歌に、フルートの音色が静かに重なり始める。
その音色は遠くまで響き渡り、私達の心に染み込んでいく。


「あ・・・あの人は・・・」

その音色にジェイクが意識を取り戻したのか、ずずっと傷付いた身体を引きずりながら起こし、フルートの音色の方向へ顔を向けて、そう呟いた。

魔法の解けたヴァイスもまた、その音色の方向を見つめている。


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