優しい呼吸

少女が目を細めた。

「あれを上げている人も私と一緒なんだわ」

「それは一体どうして?」

「届かないと知っていて、それでもなお、そうせずにはいられないのよ」

そう言うと、少女は小さく息を吸って、また歌い出した。

小さなロケットの模造品がまた、宇宙を目指して飛ぶ。


この世界の端々には諦めが蔓延していた。

もう、誰も地球を救ってはくれないのだという。

それらを打ち消すように少女の歌声が響いていた。


強く、はかなく。



< 6 / 6 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

捧げられし姫君

総文字数/29,657

ファンタジー37ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
大国へと嫁いだファラーシャは、 若き王イードによって、 様々な策略の中へ巻き込まれていく。 ご無沙汰しています。 『小説家になろう』で改稿版を連載しようかなと画策中です。 …と思いましたが時間が取れそうになく…すみません。
境の娘

総文字数/3,328

その他25ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
その娘は境の娘。 導花線様主催 【妖不在怪異譚】参加作品 お題妖怪:一つ目小僧
百鬼夜行が行く

総文字数/2,194

ホラー・オカルト14ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
導花線様主催 【妖不在怪異譚】参加作品 お題妖怪:百鬼夜行

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop